虹色プライヴェイトflavor

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精神が女児な人の備忘録

アイドルタイムプリパラ × 3DS版「夢オールスターライブ!」

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坪田文さんがメインシナリオの一部を務めています(最重要事項)

プリティーリズム3DS版である3作*1はフルに執筆されていたし、もろシリーズの垣根を超えた番外コラボ小説(これが映画で出来ない弱さ…)みたいなものでそちらも大変面白かった。今作で久しぶりにメインシナリオのプロットを担当しているとの報せを知るも当初は様子見だったのだが、最近のアイドルタイムプリパラ本編が大変熱いので、このタイミングで抑えてしまおうと踏み込んだ。

ゲーム面のレビューではないです。
タイトルを「×」にしたのは、アニメの展開と照らし合わせながら色々考えていく文章になるからです。
ネタバレ注意。

メインストーリー

プリパラのシステムにトラブルが発生してしまいタイムガーデンが消滅してしまう、それを防ぐためにゆいとらぁらと主人公であるマイキャラが一緒に頑張る。途中で華園しゅうかが突っかかってきながらも、タイムガーデンを救うために必要なアイドルタイムを集めるべく善行を積み重ね、友達を増やして、時には競い合いながら奔走していく。
リリースが半年近く前なので、必然的に時系列も本編でしゅうか・みあが登場する前後になりそう。
ニチアサ被れした人種向けに要約すると、「VシネマゆいVSしゅうか」

どうやらトモダチの力を信じることもタイムガーデンを救う鍵っぽいので、「トモダチと競い合って」いきながらしゅうかと「新しくトモダチになる」為に頑張る所が主眼であり、ゆいと形式上は敵対する存在であるしゅうかの悪役ムーブがアニメ本編よりも割と強くなっている。*2
アニメ本編では欲望が無い現実主義すぎて孤立していたしゅうかの心を救いひとつの欲望=夢を抱かせる鍵となっているガァララは出てこないので、ガァララと出会う前の確実性のある金目の物しか信じないリアリストで孤高な彼女の成分がフルに堪能することができる。

最初の3話ぐらいは、らぁらとゆいがテンション高めでお馬鹿な掛け合いすることが多くて大変良い。
この子達とトモダチでいたら楽しそう。

特に好きな7話。
友情を信じず高級の暴力や金目で人を釣る事をやめないしゅうかともトモダチになろうとしてゆいはあくせく頑張るのだが、上手くいかない。そこに駆け付けたみれぃとそふぃの提案でらぁらは突然ゆいに勝負を申し込む。ゆいは突然の対決宣言に困惑するばかり。

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先が分かっていても、私のこと嫌いになっちゃったのかな…は心に来る…

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ライバルだからこそゼンリョクでぶつかりあえば、お互いに尊敬できる、だからトモダチだってライバルになりえるということをゆいはみれぃから教わる。
そもそもみれぃと組んでいるらぁらもまた、オールスターセレクションのデフォルメパートでこの親友=ライバルの教訓をみあから教わっていて、その教本になっているディアマイフューチャー46話はこういう命題に妥協する事なくキツく触れ込んでいるので、それらが友情なんて信じないというしゅうかの心に手が届く鍵になるというこの意志のバトン*3が感慨深くない訳がない。(泣きました)
この下りに一段と坪田文さんの脚色を感じる。*4

本編で今、沢山の夢/大きな夢を抱いていて友達にも環境にも恵まれている事をパックに僻まれているけど、ゆいだって最初からそれらを持っていたわけじゃない。皆の夢を繋ぎ止めることができたのは彼女が最初はほぼ何もなかったパパラ宿を頑張って開拓したからだし、らぁらと同じくトモダチになりたくて一途にどこまでも手を伸ばそうとする一面だってあるんだ、という超感情的な訴求力しかない。
パックが不幸な気持ちが分からないとはなんて無神経なんだろう、という印象を、必死で手を伸ばしているつもりなんだけどどうしたらいいか分からなくて、結果的に自分の提唱する幸せに入れてあげたい馬鹿の一つ覚えになってしまう…宗教勧誘みたいになってしまうもどかしさが余計に上回ってしまうので、ゆいは良い子。

8話で、ライバルでトモダチだなんて生ぬるい、目に見えない物をどうやって信じろというのかしらと一刀両断なさるしゅうかさん、凄くヒールが利いている。
自分達のユメが集まっているプリパラを守る為にどこまでも手を伸ばそうとするゆいと、
要らない持たない夢も見ないFreeな状態で自分(が関わるもの)の価値は自分で決めるしゅうか…

9~11話でドレシやガァルマゲの知恵も借りて、違う個性や考え方であってもまっすぐぶつかって一生懸命さを知ってあげれば分かり合えるという、なんか要約するとありきたりだけど一途で清い教訓をもらったゆいは、いよいよ本気でしゅうかと向き合う。 「目に見えないものを信じて痛い目を見ても知らないわ(意訳)」とか「コインやクーポンは確実に自分を幸せにしてくれる」というしゅうか、幸福の価値観は時に天と地ほど違うことをまざまざと物語るから、あまりにも今のゆいに対する皮肉が過ぎる。

なんやかんやで主人公の眩しい活躍に心を入れ替えるしゅうか、若干ちょろい気がするけどゲーム尺だから…
「トモダチと力を合わせて夢を現実のものにしていく… その姿がとても素敵でしたわ」と、現実主義だった彼女がマイキャラたる主人公を評するのは、プレイヤーである幼女先輩や成人ファン諸君に対するメタ的なエールでもあり、アニメではガァララと出逢い逆に自分が夢を抱くまでに至る出来事との対比にも取れ、大変熱い。

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「トモダチになるのに必要なのはコインでもクーポンでもない…一歩踏み出す勇気が必要なのですわ!」
こう仰るしゅうかさん、本編42話(ディア・マイ・トモダチ)を経た後に見ると二重にたまらないものがある。
アニメではとにかく孤高であろうとした所にほぼ唯一の理解者となってくれたガァララを通して、夢オラ時空では友達の代わりに部下なら取るみたいなこと言ってるしどちらかというと現金&現物主義を貫きすぎて多少憎まれ役を被っていた所にマイキャラとゆいを通して、トモダチや夢に対する想いを膨らませるようになる華園しゅうかさんもまた、現実を見据える力を持ちつつ欲望を持って生きようとするようになる二重の側面を持った、ゆいの無限の夢に負けない可能性に満ちた名キャラだった。

キャラストーリー

こっちはメインストーリーと別の人が書いてたみたいだけど、予想外に面白かった。
あれから先のあの子達が更に良い方向へ向かって言ったり好き勝手にハメ外してたりしてるので、ニチアサ被れした人向けに喩えると「30分尺のVシネマ」感がある。
メイン終わったばかりでまだ全部読んだ訳じゃないんだけど、また面白いものがあったら追記するかもしれない。

・からくちいもうとトーク
いつものようにお兄ちゃんへの愚痴をこぼすゆいに対してのんが、自分達からすると兄や姉はだらしないように見えて実はちゃんと自分を評価してくれていることを諭してくれるのが良い。
そこに居合わせたしゅうかが姉をdisりだすんだけど、前述の件でちゃんと弁えがあるゆいとのんは反発する。そふぃも加わり、4者4様に困った姉/兄を抱えている様子を伺える。(コスモさんは比較的まとも)

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みあ、酷い言われ様だ。

そんなしゅうかに対して(あんなに気にしてお姉ちゃんのことが好きなのかな…)って勘繰るのん、良い。

・おしえてファルルせんせい
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3期ラストでファルルが授業してた下りの再来。そしてガァルル・ちり・ペッパーと濃い子ばっかり生徒役という、あらすじだけで既に嬉しい話。しかもこのエピソード、ちゃんと3時間目ぐらいまでやるから結構長い……衣装も流れによってちゃんと変わるのが凝ってるし、ありふれた言い方をすると愛を感じる。
体育の柔軟でガァルルに圧をかけるペッパー鬼畜。

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・あくむのジュエルチェンジ
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変幻自在ジュエルチェンジぽよ!の再来。
ペッパーの活躍により理由の無いゴリラ文明が悪魔を襲う。あろまに「駄目!とらないで…ウホ」とか言わせる高等羞恥サバト。まるでただのガァルマゲ好きファンが書いた二次創作みたいなのにボリュームとインパクトは凄い…
ゴリラ!ゴリラ!ゴリラ!

余談

・プレイヤーを励ますユメ幸せの教祖様天使
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*1:マイデコレインボーウエディング・きらきらマイデザイン・ おしゃれアイテム1450(プリパラと抱き合わせだが基盤はプリティーリズム

*2:でも「アイドルウォッチよこしなさい!」発言は某闇医者初期の「ガシャットよこせ」を思い出して笑ってしまった

*3:よその世界ではこれをSHININGLINE☆と呼ぶ

*4:この文脈を色濃く残したDMF47~51話は坪田文さんが手掛けていたけど、DMF46話自体を手掛けたのは井内秀治氏(故)。