虹色プライヴェイトflavor

虹色プライヴェイトflavor

精神が女児な人の備忘録

THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 4 12 水瀬伊織

水瀬伊織のMA4を拝聴しました。以下ネタバレ注意。
1年半以上待ちましたが、待った甲斐のあるぐらいには名盤なので試聴の上ご購入を強く勧めます。

music.apple.com


正直なところ、MA4のドラマパートはチラ裏程度の内容が殆どであまり期待していなかったんだけど、1年以上待ち浴びた末に期待の数倍を叩き出してきたので驚きました、そしておろおろと泣き崩れました。オタク弱い。
これまでリリースされた他のアイドルの分をそっけなく聴きすぎて期待値が低かったのか、本命になると耳が馬鹿になるからどんな内容でも最高になるのか、4弾目でようやくトーク内容が見直されたのか、本当のところは分からないけど(第一弾のドラマパートが虚無すぎただけで、二弾目以降はそれなりに聴ける内容だった)、彼女が話す一挙手一投足は紛れもなく「水瀬伊織」だった。
贔屓目もあるだろうけど、少なくとも水瀬伊織チラシの裏ではなく「本質」を語っていたと思う。

youtu.be

「ソナー」は本当にこれまで手がけた曲の中でも一際異彩を放つアンニュイかつミステリアスでクレバーな曲調だったように思う。
インタビュー記事を読む限り釘宮理恵さんは水瀬伊織の反抗期を表現したと解釈していたみたいだけど、私としてはなかなかパッとしない例えだった、でもフル音源を聴いたらそこそこ腑に落ちた。

『いつだってあなたは曖昧なこともすぐに分かりすぎるから 私はそこへ渡れないんだ』という歌詞がある。
これはあくまでも私の解釈に過ぎないが、水瀬伊織に寄り添ってくれる者(Pでもいいしやよい等の親友でも良い)に対して水瀬伊織が抱く、自分の本音を看破してくれてしまうことに対するもどかしさのようなものがあるのかもしれない。
水瀬伊織はプライドが高いから、半端に情けをかけられるのは屈辱だろうし、
『暖かい記憶が私を抱きしめていた』から『違うまだとても受け入れられない』という一連の流れは、自分を慮ってくれる相手の慈悲を感じつつも心のどこかでそれを跳ね除けて自分の足で立ちたい、でも1人では立っていられない物寂しさもあるようなジレンマを感じちゃう。
「跳ね返してくれるか」というのは突き放したようで反応を待っている。タブンネ

また、トーク1で水瀬伊織自身も「この曲は聴いた人それぞれどう受け取っても良い、私も私なりに解釈したけどそれは私のものだからその説明は要らないわよね?」というコメントを残しているのも本当にセンスが良い。

やさしい気持ち」も「あたしを彼女にしたいなら」も、等身大の恋愛を見せる水瀬伊織の王道とも言えるすこぶる秀逸なカバー選曲だったけど、水瀬伊織の恋愛曲はいささか一つのテンプレートになりつつあって釘宮理恵さん的にも型破りの泥臭くて格好良い水瀬伊織の楽曲を待ち望んでいることが分かったので、自分の本音がそのまま釘宮理恵さんにも共有されているようで喜ばしかった。
記念生放送で判明したけど、後者の歌詞が本人の身長である153cmに合わせて変更されたようなので本当に凄い。但し歌詞カードは修正が間に合わなかったのか元の152cmのままだった。
ちなみに自分がリクエストしたのは「La La MelticStAr」です。気品高くいながら格好良さを放つそのイメージに合ってると思うけど残念ながら採用されず。

そして特に心討たれたのはトーク3の内容。
水瀬伊織は常に最高の自分で存り続けたい、それは少なくとも現在の2nd時空以降の水瀬伊織にとっての原動力であるから、理解できる。しかし彼女の言葉はそれだけに留まらない。

『私の魅力は変わらない』のだから、私が変わったとすればそれは貴方の見方が変わったに過ぎない、と彼女は言った。
天上天下に己の美貌や魅力が未来永劫残り続けると断言できる水瀬伊織のマインドはそれ自体がモチベーションでありアイデンティティなのでいいとして、それが唯我独尊といえばそれまでだが、己の自尊心を客観的に見ることができる時点でも凄いと思う。

そして水瀬伊織は、人は物事を見たいように見るのだから『貴方にはこういう水瀬伊織でいて欲しい』という願いがあることを受け入れる、だからこそ『あなたの見たいように私を見て良い』と肯定したのだ。

これは本当に凄い。
自分が最高で在り続けるために「偶像で在り続ける」ことを認め、本人には重すぎるかもしれない過度な憧憬を抱くことを認め、偶像として見ることを許してくれたのだから。

大抵のアイドルはどんな形であれ本来の自分と異なる"偶像"を演じていても自ら偶像ですとはなかなか言わないだろう。彼女はそれを真っ向からやってのけたのだよ。
それは私にとってとんでもなく凄いことで、遠回しに水瀬伊織が「私は偶像よ」とと断言するということは、例えば仮面ライダーシリーズの作品で主人公が仮面ライダーという肩書きを誇り高く自負するような厚みに極めて近くて、本当に重い一言だと思う。
要するに彼女の重んずる「アイドル」の姿と、そういう作品で主人公が自称する「仮面ライダー」という言葉の重みの根幹は一緒で、広く捉えればどっちもヒーローなんだよ。

極端な話、「あなたの見たいように私を見ていいのよ」と言った水瀬伊織の『その心そのものが仮面ライダー』なんだ。泣くわ。

私はずっと水瀬伊織を気高くて強くて凛々しくて格好良い女性の最高峰として、その姿を演じ続けるアイドルとして、水瀬伊織という架空の人間を愛してやまなかったと自負する。
もしかしたらそんな行き過ぎているかもしれない感情を、水瀬伊織自らが許してくれて、諭してくれたのだから、
待ちくたびれて飢えさえも抱いた耳元でこんなことを聴かされて平静を保てるはずもなくて、心の底から泣き叫んだわ。
時勢的な事情で1年半も待ったのが、この時本当に『報われた』と思った。

私は『水瀬伊織』に夢を見せてもらいたかったんだ、それが今成就した、だから心の底から嬉しいし愛してる、たかだか一枚のCDが、左翔太郎にフィリップが遺した一本のロストドライバーぐらいゲロ重いものになっちゃったよ。
水瀬伊織に私の気持ちが届いた、たとえ気のせいだとしてもそう思えるような仕上がりだったのが嬉しい。

ワンダリングスター時空とアニマス7話とステラステージ時空の彼女に並んで最高のマインドを発揮したと思う。



P.S
水瀬伊織さん最後のリレードラマパートで「1000%」って言ってて草