きらりん☆レボリューション その2
2期で特に面白かった話を振り返る。
アイキャッチの熱心なミルフィーカード宣伝を兼ねた着せ替えが可愛いのに、割と短期間で終わってしまった。
60話「宇宙へ! 地球最期のキラリ☆」
太陽の暴走を歌で止めるとかいう何もかもおかしい話。
無駄にお涙頂戴するし…大気圏突破しても重力あるのにな…
しかしどんな状況だとしても疑わずに悲しみを抱いて尊い自己犠牲と輝きを以て全うしようとする月島きらりはやはり神とアイドルのハイブリッドな御方なのである。
ふでやす脚本の爪痕は大きい。
61話「レボリューション!! 少女ときらりの花時計」
前回とは打って変わって、難病に苦しむ子供にどう希望を届けたらいいのか、という真摯なアプローチをぶつけてくる、こういう切り替えの良さがきらレボの強み。
そして月島きらりが、彼女の目前でドラマを演じるという現実と空虚の狭間に身を置く秀才を発揮するのもたまらないし、こういう事が出来るから更に彼女の神話性をアップさせる。きらりは神。
最近はエグゼイドのトゥルーエンディングでもこういった話があったけど、同じように勇気づける事が出来るアイドルとヒーローの親和性はやはり高いのだ。
76話-77話
「きら☆ぴか 二人を引き裂く黒いワナ!?」
「フォーエバー♪ きら☆ぴかラストコンサート♪♪」
黒木の策略によりひかるがファンの醜さに苛まれてアイドルやめそうになる話。
きらりは何も悪くないのに、自分がやらかしたみたいに責任を感じてしまうのがぐう聖なんだけど、この世界のファンは少々暴徒が過ぎる。
1・2期の宙人は大人びたイケボで助け船を出してくれるのが素直に格好良い…のに3期は…(かつてSHIPSの声だったものが辺り一面に転がる)
80話「ソーナンダー!?きのこ大使でハッピーまいたけ!!」
3年分の中でも指折りに倫理観が外れている……ふでやす脚本の本気…
きのこ嫌いな子をきのこの格好したお姉ちゃんが追いかけてくる上に遭難するとかトラウマレベルに狂ってるんだけど、何故か良い話に収まるのが不思議。
一つ屋根の下で一夜を共にする(してない)とか…こんなの何も起きない訳ないじゃん…ヤスヒロ君も立派なキノコを抱えてしまうのでは…
81話「SOS!なーさんロボは最強なのレス!!」
鮫映画にでも触発されたとしか思えないトンチキ。
何故なーさんを量産化しようと思ったのか。
きらりがなーさんロボの群れに襲われる下りははしたない考えしか過ぎらないんだけど、本物と変わらないきらりに対する献身ぶりに涙する…のか?
86-90話 ブラックウッド関連
1期のオフィス東山の社長も随分とセコい存在だったけど、逐一妨害してくるだけ暇人で優しかったので、今度の黒木はそれ以上にやばいやつ。
業界オールジャックして大胆に圧力をかけ続けて屈服させるなんてけしからん…ではなく少女アイドル一人相手に何をそこまで必死になるのって思うぐらい、金と権力とSEXはいつの時代も強い事を如実に表している。
しかしオンデマンド配信が標準となった今となっては、放送局をジャックして…というネタ自体がCS・WOWOW全盛期だった00年代を感じさせる…(他局にも出させないようアイドル達を懐柔するのが問題なのだが)
厨二病…ではなくジャンヌ気取りなブラックムーンきらりはもうちょっと見たかった。いつも明るい子が無機質冷徹になるなんて最高じゃん。
また、黒木はある意味で後の阿世知欽太郎*1みたいな立場とも見受けられるので、好きな作品・キャラの傾向はやはり似てくるんですね。
96話「きらり姫!!バーチャルゲームで大冒険なのレス」
タドルクエスト ゲーム病を発症しバグスターになる星司
VRゲームの世界に飛び込む割とたまにあるネタな気がするんだけど、
歌で世界で一つにしてマクロスかシンフォギア並の芸当をやってのけるきらりの神スキルが猛威を振るうのがブレなくて良い。
101話「ママ…!涙のクランクアップ」
終盤のルナ=きらりの母親に関する一連の話、どれも良いんだけど一番の山場。
役に入り込ませる為にスキンシップを取りつつも、本番では母親であることを明かさぬままドライに接する厳しい態度がストイックで響いたし、あのきらりにも母親がいない事の寂しさは消しきれず演技に差し障る年相応の弱さが垣間見えた、と思わせてのではなく永遠の別れという感情を表現することに繋がるのが二重に良かった。きらりもまだ人間だった。
序盤に軽く匂わせておいてリアルタイムでは2年近く経て再会するのも感慨深い。