虹色プライヴェイトflavor

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精神が女児な人の備忘録

青のSP -学校内警察・嶋田隆平- 1話

www.ktv.jp

録画し忘れててFOD試用で観る羽目になったけど、めっちゃ面白かった。
MIU404もかなり現代社会を射抜いたパンチの強い作劇だったけど、これもまた別の観点からプレッシャーをかけてきていて、ある意味で令和の女王の教室を予感させる問題作になりそう。山田裕貴高橋克実にキャストも強い。


藤原竜也演じる嶋田は、「子供の間違いを正す」教育そのものにメンチ切って「子供であろうと正しさで罰する」ダークヒーローみたいになっていて、それだけでもう面白いけどこれはもう教育に対する風刺どころか串刺しにしてるように見える。
女王の教室だって「正しく導くために厳しく接する」に留まっていたし、教育しに来たわけではないと本人の台詞にもあったし、成人ラインももうじき18歳になるから、その定義を再考させられてしまう。

舞台がもうなんか人種の多いあいりん地区みたいになってるせいで、多様な価値観が衝突を生んで治安が悪くなるから粛清する存在が必要みたいな文脈でスクールポリス置いてるあたり、多様性アンチフェミアンチ極めているようで共感できる。多様性を認め合うなんて綺麗事じゃどうにもならないこともあるんですよね。

また、手を汚す子供にも辛い境遇があるっていうのはよくあるアプローチだけど、ぶっちゃけ同情しきれないぐらい狡猾なのでウケる。
1話の三村翔子なんてそれこそ風都の女一歩手前で、表面上は謂れのないネットの叩きで自殺した親友の仇を取るという悲劇のヒロインぶってるけど、その手法は女子中学生の範疇を超えた悪質な美人局というか詐欺師みたいで怖すぎ。ミイラ取りがミイラになってんだよなぁ…
それだけに、悲劇のヒロインぶった彼女を嶋田が真っ向から嘲笑するのはある意味で正しいのかもしれないし、自分がSNSでつるし上げた男に復讐されそうになるのはまさしく因果応報でこれ以上なく痛烈なネットリテラシーの教養になりそう。復讐は復讐を生むって、はっきり分かんだね。

センシティブな事情を抱えた子供に対して非情に徹するのが挑戦的すぎて凄い。
このドラマ今期一番やばいかもしれない。
ただ、ヒロインと思しき先生の滑舌がやばいのだけが難点。